2015年3月29日日曜日

”本業”のサービスの重要性



北海道の営業と言えば、専ら車を使う事が多い。

いや、車が無いと営業の仕事が成立しないのである。

1日平均約100km、多い時で200km以上運転する事もある。

車を使う仕事なので、当たり前だがガソリンスタンドも良く使う。

北海道は完全なる車社会の為、皆車を保有し、それに比例するように

ガソリンスタンドの数も日本一なのである。
(資源エネルギー庁調べ:http://www.sekiyu.or.jp/topics/data_a.html)

自身が働く北見市内だけでも、通常のスタンド・セルフ式スタンドを

含め多数の給油所が存在している。

各スタンド毎に「レディースデー」を設けたり、モーニングサービスとして

缶コーヒーを配ったり、面白いPOPで来客を促進したり、

洗車サービスに力を入れていたり、その色は様々である。


自分が給油する際、会社と提携しているブランドの給油所を使うが

場所は特に決めてはいない。それはガソリンが無くなってきた時に

給油する為、場所が分散するという事もあるが、そのサービス自体も

「どこで入れてもほぼ同じ」だから、という理由が大きい。


しかし、唯一「ここに行ったらこのスタンドを使おう」と決めている所がある。

そこは網走に位置するENEOSのスタンド。

きっかけは偶々ガソリンが無くなり、その給油所に入った事。

いつも通りガソリン満タンを告げ、その日は車が汚れていたので

併せて洗車も依頼した。

全てのサービスが終わり、いざお会計という時に、

スタンドの従業員さんが「エンジンオイルが汚れていますけど交換されますか」

と聞いてきた。車検も近かったので、「結構です」とその場では断ったが

嫌な顔一つせず「また何かあれば」と気軽に話せる雰囲気だった。

そして帰り際、スタッフが(良く訓練されているんだろう)並んで

深くお辞儀をしながら見送ってくれた。非常に気持ちいい接客だった。

2週間後にもう一度そのスタンドに寄る機会があり、

その日もガソリン補給と洗車を依頼した。

そうすると「以前もこちらで燃料補給をされましたよね。

また車のチェックをしましたが、やはりまだエンジンオイルが

汚れているようです。」と指摘をしてくれた。


自分は営業としての仕事柄色々な人と接するが、それが

本当に顧客の為のものか、押し売り等の強引なものなのかは

判断出来る。このスタンドに関しては少なくとも前者だと思った。

本来スタンドは給油に来たお客さまには給油を、

洗車をして来たお客さまには洗車を行うもので、それ以上求めてはいない。

というよりも、自分の車に何が不足して何が必要か”理解していない”のである。

プラスの提案を押しつけがましいと取る方もいると思うが、

きちんと車の状態を見て、提案してくれる姿はプロだと思った。


ここでタイトルに戻るが、"本業”のサービスの重要性とは、

例えばガソリンスタンドだったら、車に関するプラスの提案や提言

をする事や、気持ちの良い接客、仕事の早さ等、

本来の業務を徹底的に突き詰めた先に生まれるものが

本当に重要な事だという事。

来店で物が貰えるのも嬉しいし、価格が安い事も勿論重要。

でも、もう一度行きたいと思う場所は「ここに行けば安心して

車の事を任せられる」と思う所なんだと思った。

これは自分の仕事にも置き換えられる事。

上辺だけの知識や使えない資格をやみくもに持つのではなく、

本業の仕事に真摯に向き合い、必要な能力を深掘りして伸ばしていく。

その地道な努力の先に、信頼と成果があるのだと思う。


結局、どの分野でも本質を見極め追及していく事が大切なんだ

という事を、ガソリンスタンドでのサービス体験から気付かされた。