2012年2月26日日曜日

人は何の為に命を差し出すのか?






10年後に切腹を言い渡された、元藩の要職の男。

残された時間で与えられた役割は家譜編纂。

藩内で刃傷沙汰を起こしたが、切腹を逃れその男の監視役を

任された男。二人が家譜編纂を通して掴んだ事実とは・・。

又、なぜ男は切腹をしなければならなかったのか。


「蜩の記(ひぐらしのき)」は歴史小説というジャンルだが、

事件を紐解いていくサスペンスの要素や、

 人としての生き方、男としての生き方、

武士としての生き方とは何かと考えさせられる哲学的な要素も

含まれていて、非常に内容の濃い作品だった。

文中には難しい表現が多々あったり、登場人物やその関係性が

複雑で分かりづらい部分もあったが、それはそれで味があるし、

この作者は歴史に関して非常に深くまでリサーチされているんだなと

感じた。さすが直木賞受賞の作品だと思う。

その中から心に残った文章を抜粋すると、

「口に出せば愚痴になりましょう。志を果たしたと思うのなら、


源吉のように笑っておればよいのです。」

これは、武士は志があって行った事に対して後悔の念ではなく、

そのことに対する誇りを持ちなさいということだと感じ取れる。

「人は心の目指すところに向かって生きているのだ。


心の向かうところが志であり、それが果されるのであれば、


命を絶たれることも恐ろしくはない。」

命が燃え尽きるまで、真剣に物事にたいしてぶつかっているのか?

人は「覚悟」を持ったときに輝いていく。そういうメッセージだと捉えた。

さて、じぶんの「いのち」は何の為に在るんだろうか?

一読の価値あり。

old fashionedかもしれないけれど、日本人が思い出すべきことを

再確認させてもらえた。


Nissan × Jazz

先日の土曜日は、定例の元美容部員さんとの飲み会があった。

横浜に17時集合だったけれど、最近読んでいる小説を読みたかったので、

昼ごろには横浜に行き、スタバでゆったりと読書にふけった。

その後時間が余ったので、横浜駅周辺を探索していると、

見えてきたのは「NISSAN グローバル本社」の社屋で


たまたまその日はギャラリーにてSUPER GT 2011総合優勝記念イベント

「GT-R総合優勝 “0.1秒にかけた者たち”」が行われていた。








実際にGTに出場したカートが展示されていたり、実際に車に乗車できたり、

ピット作業(タイヤ交換)を体験できるブースもあり(タイヤは中々の重さ)

車好きの自分にとって偶然にも非常に素晴らしいイベントに出会えた。

0.1秒を争うカーレースの世界。鳥肌が立つほどかっこ良い。

さらに15時からは日産が主催する「JAZZ JAPAN AWARD 2011 Live」も

行われて、受賞者による演奏を無料で聴くことも出来た。

それぞれ全く違う良さがあり、生で聴くJAZZの迫力に圧倒されっぱなしで終了。

その後は皆と合流し、楽しくお酒を嗜み、仕事の熱い話に花が咲き、

夜は更けていった・・・。

今回偶然にも素晴らしいイベントに出会え、良い経験が出来た!

もっと様々なイベントや物事に触れて刺激を自分の中に取り入れていきたい。

 

2012年2月25日土曜日

3.3 < 147

 

最近CMでよく見かける「十六茶」のCM。

いきものががりの元気の出る歌に乗せて、新垣結衣さんと子供たちが

楽しそうに踊る・・・。素晴らしい!朝から元気の出るCMだと思う。

そういえば、最近は「緑茶」というカテゴリーだけでなく、「体に良い」

とか「油の吸収を抑える」とか「トクホ」とか、健康というキーワードで

認知されるお茶も棚割でよく見かける。

ヘルシアの大成功に始まり、現在はサントリーの黒烏龍茶が

ちょっとした話題になっているのでは??

各社が「お茶」という市場でそれぞれのブランドポジショニングを取りながら

シェア争奪戦をしてるんだろう。と思っているとお茶市場について興味が

湧いてきたので自分なりにリサーチしてみた。

 【市場シェア:2011年】
1位「お~いお茶(伊藤園)」27.9%
2位「伊右衛門」(サントリー)15.6%
3位「爽健美茶」(コカ・コーラ)14.7%
4位「午後の紅茶」(キリンビバレッジ)6.3%
5位「生茶」(キリンビバレッジ)6.2%

( http://www.president.co.jp/pre/backnumber/2010/20100118/13437/13445/)

様々なお茶が市場に現れは消えていく中、

伊藤園のおーいお茶は抜群の安定感で首位を独走している。

自分の大好きな「生茶」が5位に甘んじているのはショック。

ちなみに5位以降はサントリー烏龍茶、十六茶、綾鷹、からだ巡り茶と

続く訳だけれど、この圧倒的な差はどこから生まれたのか?


そもそも1990年に「お茶」というカテゴリーは清涼飲料水市場において

たった0.5%のシェアしか獲得していない状況だった。

当時、伊藤園は消費量が一番だった緑茶が、なぜコーヒーの

市場規模に負けているのかという事を考えた。

コーヒー の市場規模1兆4000憶円の3分の2にあたる

9000憶円は缶コーヒーによって創られている事に気付き、

緑茶も缶やペットボトルの比率が増えれば市場規模が拡大すると

仮説を立てた。更に緑茶が飲料化比率が低かった事も

そこにまだ大きな成長余地がある事を示していた。
(茶葉ではなく、飲料として緑茶を販売することで市場を育てる)

更に伊藤園は茶産地育成事業により、安定した茶葉共有量

を得ると同時に価格も安定させることに成功した。

コカ・コーラやサントリーのように「総合清涼飲料水メーカー」

には自らはならず、「緑茶」という市場にのみマーケティング投資

を行い、伊藤園というブランドを市場に浸透させていった。

いち早くペットボトルのお茶を市場に出し、新たな飲用シーン

を提案したのも伊藤園ということらしい。


そんなこんなで、93年に571憶円しかなかった市場は

05年には4770憶円にまで成長していった。

現在の市場はもっと大きいものと予測でき、そこにチャンスを

見出した各社がこぞって商品を投入してくるのも納得出来る。

2000年にキリンが「生茶」を投入し、2004年にはサントリーが

「伊右衛門」を発売し、一時は圧倒的な人気を誇ったが、

ふたを開けてみると伊藤園のシェアは揺るがないものになっている。

やはり1位メーカーというのは、ブランドの信頼が圧倒的に高い。

今後、お茶市場は「伊右衛門」「生茶」「綾鷹」「おーいお茶」などの

味で勝負するグループと、十六茶や爽健美茶、からだ巡り茶などの

体に良いという「健康系」のお茶のグループ、そして「ヘルシア」や

「黒烏龍茶」などの「生活改善・予防」のグループによる争いが

激化すると自分は予測している。

お茶はすでに「家でつくるもの」から「外で買うもの・持ち歩くもの」

にシフトしてきている。家で一杯3.3円のお茶よりも、コンビニで

147円で購入するお茶。その143.7円の価格差に含まれる

のは紛れもなくお茶という名の「ブランド」であり、

お茶が生活に欠かせないパートナーになったんだとしみじみ感じた。

2012年2月20日月曜日

BoomがBrandになる時

(動画は韓流アイドル Super Junior)

2003年頃起こった「第一次韓流ブーム」

当時流行したのは「冬のソナタ」やペ・ヨンジュンさんだった。

日本国内の経済効果は2000憶円以上、韓国は1000憶円以上

だったという。当時の自分にとって、とりわけ若い世代にとって

韓流スターはどちらかというと「中高年のおばさま」が追いかけるもの

というイメージが強かったように思える。

そして2011年、2012年と起こっている「第二次韓流ブーム」。

その火付け役となっているのがKARAや少女時代、東方神起や2PM

等の韓流アイドルという事は間違いなく、今回のブームでは

若い世代の女性がブームの流れの中心にいると思う。





今や新大久保は韓流ブームの「聖地」であり、新大久保駅から高架をくぐり

少し歩けば、そこは熱気で溢れた異国の地の様な雰囲気で、

大通り沿いには多くの飲食店やアイドルのグッズを売るお店、

食料品店やコスメを取り扱う店でごった返している。

自分もお店に入ってみたが、若い女性が目を輝かせて

アイドルの写真やグッズを買ったり、韓国フードやコスメを買いあさっている。

今流行の「カタツムリクリーム」や「毒蛇クリーム」も売れ筋は好調らしい。

化粧品販売で、というよりも韓国のマーケティングでは流行のアイドルを

モデルに起用するケースが多く見られ、商品とアイドルとの相乗効果で

さらにブランド認知度を高めている。

そこで思う事は、「モノが売れない時代」において、ここまで韓国の

関連商品が売れまくっている理由は、「韓流」という流行りが

すでに「韓国=クール」というブランドイメージとして定着している

からなんだろうな、と思った。

町に出れば「○○%オフ」や「激安」「衝撃プライス」等が目に入り、

それもすでに陳腐化の道を辿っているようにも思える。

やはり大切なのはいかにお客さまの心に「ブランド」を持つ

喜びを届けられるか、そのブランドを創れるかなんだと再確認出来た。

また、そのブランドを創る構成要素の一人に社員である「自分」

も入っている事を念頭に、ブランド価値向上に貢献したいと感じた。

そして雛は卵に還る


先日、ある他業種の方と話していた時に考えさせられたこと。

それは「自分の人生を100%で生きているのか」ということ。

島田紳助さんは成功する法則を「X+Y(Yは変動する)」と表現する。

Xは自分の能力、Yは市場が求めるもの。

Yの変化に合わせてXを変化させ続けられる人が成功するという。
(紳助さんの場合は漫才師から司会業への転向)

自分の人生の目標を達成させる為にXを自在に変化させていく

過程の中で、自分達は職業という媒体を通じてもそれに向かっている。

ただ、その人が仰るには、

企業がやりたい事(社員として行うこと)が果たして自分の「人生」

のやりたい事とリンクするのかということを考えて欲しいということだった。

おそらく今の仕事、生活、プライベートに満足している人もいると思う。

でも冷静に「自分のやりたい事全部を叶えられているのか」という

質問にはNOと答えてしまう。

その時点で人は「見えない殻」を自分で作ってしまっているという。

もっと出来るはずなのに、挑戦できるはずなのに、

企業という、業界という「殻」の中でしかだんだん物事を判断出来なくなる。

自分の人生の目標を達成するためにその「殻」を破れるか?

その人の問いかけはそんな感じだった。

世の中にはせっかく殻の中から自由になったのに、また別の殻にいる人

も多いと思う。その中での価値軸でしか物事を図れなくなってしまうのだろうか。

もう一度「自分の人生」という軸でXとYを見てみると新たな発見が

あるかもしれない。



2012年2月12日日曜日

born to run





(picture from a blog〈http://happinessdishbestsavouredhot.blogspot.com/2011/09/blissful-moment-1-running.html〉 )

Born to run「ひとは走る為に生まれた」

以前そういうタイトルの本を読んでからというもの、走るという事に、

そして自分の身体を鍛える事に対して考えるようになった。

今日は以前から誘いを受けていた「皇居ラン」に参加した。

皇居ランとはその名の通り皇居の外周を走る会で、

メンバーは外大の友達により構成されている。

今日は自分と外大の同期2人と後輩1人と同期の子の友達1人の

5人で外周を2周(約10km)を走った。

速い人で1周15分~20分で走るコースを今日はゆっくり25分の

ペースで、2周合計55分程度で完走。

2周だけでも足がパンパンになってしまう・・・。もっと走り込まないと。

それでも終わった後の爽快感は格別のものがある。

まさに We were born to RUN という事か。


帰って久々に訪れた「ニコニコ動画」。

4年前に自作のPPT動画をアップしていたが、

その動画が10,000再生を記録していた。

その10,000人目の動画再生をしたのがまさか自分だったとは。


何か縁があるんだなーとしみじみ思う休日だった。

糸は編むものか、編まれるものか。


家族との繋がり、仲間との繋がり、会社の繋がり、恋人との繋がり、

「繋がり」は色々とあるけれど、最近は大学の繋がりが増えてきている。

先日の品川プリンスでの「東京同窓会」に参加し、久しぶりの仲間や

CIEの職員さんと楽しい時間が過ごせた。さらにそこで知り合った先輩

のお誘いで先日「91年度卒業生 新年会」というものに参加してきた。 

会場は東京は丸の内、生保会社ビルの地下にあるおしゃれなお店だった。

ふと会場に入ると、そこはまさに「大人の社交場」という様相を呈している。

91年卒業生という事は、09年度卒業の自分とは19年も離れている

大先輩ばかりだったし、参加者で一番年下が自分という事で緊張は

したものの、そこは外大の繋がりということで、温かく受け入れて下さり、

そこで色々な為になる話も聞けたし、刺激になる事ばかりだった。

参加者は様々で、91年卒業生もいれば、07年卒業生もいるし、

ミュージシャンもいれば、代表取締もいる。

名前を聞けば知らない人はいないであろう会社の社長室室長という

肩書の方もいて、本当に面白い顔ぶれだった。

一番嬉しかったのは、その方々がどのような肩書や地位を持っているという

事ではなく、みな一様に「良い顔」であるという事だ。

会社に疲れて項垂れた顔ではない、そこには確かな自信と

適度なバカさ加減(笑)が混じった大人の姿があった。

自分の仕事に誇りを持って、自分の好きな仕事を思い切りやる。

その様な自分に誇りを持った40代になっていたいと思う。


今回の同窓会で出会わなければ、交わることのなかった人と

このように出会うこと。それは偶然かもしれないし、必然かもしれない。

「糸は編むものか、編まれるものか」

答えは分からないけれど、意志を持つ「糸」が

偶然か必然かは分からない「人」や「環境」というものと絡み合い

編みあがって、自分という作品が出来上がると考えると、

非常にワクワクするし、この繋がりというものを大切にしていきたいと

改めて感じた。

久々に聞いた曲もまた、沁みるなー。







2012年2月4日土曜日

ファミコンでなぜWIIのソフトが遊べないのか?








「どうしてファミコンでWIIのソフトが遊べないんだろう?」

そういう事を思う人はまずいないと思う。

答えは簡単で、WIIのソフトはWIIを持っていないと遊べないからだ。

古いハードで新しいソフトが使える筈がない。

この分かり切った事が実際に行われているのが「国の行政」であり、

「大阪都構想」のはじまりだった・・・。


昨今話題になっている橋本大阪市長(前大坂府知事)が掲げる「大阪都構想」。

ニュースで聞いているだけでは表面しか理解できなかった事が、

この本を読んで多少理解出来るようになった。





冒頭に書いた「ファミコン」と「WIIのソフト」の関係は

国や大阪の「体制・構造・仕組み」と「政策」の関係だと橋本さんは言っている。

現在の大阪の行政の仕組みは明治維新直後に創られて以来変化のない

いわば現在における「ファミコン」の様なもの。

そこに「WII」という優れたソフト(政策)を動かそうと思っても不可能で、

現代においては、政策を語るだけでは(ソフトを持っているだけでは)

変化が起きず、変化を起こすためには構造(ハード)を現代にあったものに

作り変えなければいけない。こういった考えが根底にあるという。


「大阪都構想」において橋本市長は大坂都を中心に特別自治区を7~8区

設け、大坂全体に関わる事(インフラ・交際競争等)を都が行い、

予算と責任を振り分けられた各自治区がそれぞれの区できめ細かい

住民サービスを提供するという「役割分担」を明確にするというものらしい。


大きな夢を語ってはみたものの、実現には至らないことの多い民主党政権。

それは政策がわるい云々ではなく、それを実行に移す為の体制や仕組みが

現代に合っていないために意思決定が遅れたり、一つの方向に向かえない

ようにしてしまっている。今は懐かしい小泉元総理の「構造改革」。

政治や利権やしがらみでいっぱいの社会の構造を変えていくのは

並大抵の努力や意志では不可能だけど、橋本さんはそれを一つ一つ

変えていっている。それが正しいのかどうかは今後分かる事だけれど、

想いを実現させる橋本さんの行動力はただただ凄いと思うし、

その思考プロセスは非常に勉強になった。

堺市の事実上「大阪都構想」からの離脱など、問題は多いと思うけれど

自分は橋本さんの活動に注目し、応援していきたいと思う。