2013年9月16日月曜日

5年半が生んだ「変化」と「変わらないもの」








入社して早5年と半年が経過しようとしている。

今月をもって、ひとまず「営業」という仕事を終了し、

新しく海外事業部に異動となる。

そこで、自分が新入社員時から現在に至るまで、

営業として、社会人としてどのような変化があったのか

自分で振り返ってみようと思う。



【何も出来ず、自信が無かった1年目】

1年目は今思い出しても恥ずかしくなる程、

何も出来なく、思考も大分ずれていたと思う。

仕事の本質や仕組みが分からず、ただただ「気持ち」

だけでがむしゃらにやっていたと思う。

学生時代の留学経験等の成功体験で、過信していた

自分は、これから長い付き合いとなるGMと部長に

叱られ、諭され、よく泣いていた記憶がある(笑)

熱い気持ちはあったものの、自分に対して自信がなく、

いつもおどおどして、非常に頼りなかった社員だったと思う。

とにかく本当に迷惑ばかりかけていた。

【少しずつ仕事が理解出来た2年目】

失敗を繰り返しながらも、少し大きいお店を担当し、

ビューティースタッフの方や美容部員さんと仕事を

するようになった。

その頃は自分が部を引っ張る立場というより、

周りの後ろをついていく、というようなスタンスだった。

お店を担当する営業としての自覚も足りず、

美容部員さんの不満が積もったり、得意先に迷惑を

かけてしまうこともあった。

言葉遣いで偉いかたを怒らせたこともあった(笑)

それは今では笑い話である。

当時はまだまだ自分に迷いがあった。

何か殻を突き抜けられない自分がいた。

きっとそれは自分の「想い」がなく、

周りに同調していただけだったからだろう。

【自分の想いと自信の芽生えた3年目】

3年目でようやく点在していたパズルのピース

が枠組みにはまってきて、やるべき事や

自分の役割が「画」として見えた年だった。

店頭売上チャレンジで、その月だけだったけれど、

部の中で1番になって、「自分もやれば出来るんだ」

と初めて自分に自信が持てるようになってのもこの時期。

お店は徐々に売上規模の大きなお店を担当する。

この頃はよく美容部員さんとぶつかっていた気がする(笑)

今考えてみると、営業として至らなかった自分が悪いが、

当時は「そんな言い方しなくてもいいじゃん」なんて

凄くチームとの人間関係に悩んでいた記憶がある。

※ぶつかった分だけ、今では当時のビューティースタッフさん、

美容部員さんと仲良くさせてもらっている。

全てのお店から良い評価を受けていた訳ではなく、

上手くいかないお店もあった。

それでも何とか得意先に貢献しようと頑張っていた。

「担当が替わる」という報告をしに行ったとき、

涙を流して下さった得意先の方がいらっしゃり、

その時は本当にこの仕事をしていて良かったと感動した。

3年目は自分がこれをやりたいという「想い」

とチーム内の役割が徐々に明確になり、

迷いが無くなった時期でもあった。

【結果にこだわった4年目】

4年目は「努力」ではなく「結果」を意識した1年だった。

無論常に結果を出し続けていた訳ではないが、

チャレンジの時には「自分が部を引っ張る」という意識で

特に頑張ったと思う。

得意先との関係の築き方、話し方、態度も自分の中で

確立し、どんな方でも良好な関係構築が出来るようになった。

社内においても、数少ない若手の一人としてチームを

盛り上げていこうと行動し、徐々に信頼もされるようになった。

一番思い出に残っているのはドラッグセガミ系列さまを

担当していた時期である。

人間関係の難しい担当店を持たせて頂き、

そこでの美容部員さんと化粧品担当さんとの関係、

またチーム内での関係も少しこじれた時期もあった。

ただ、それを少しずつ解決していき、最終的には

チームとして1つの方向に向かう事が出来たと思う。

苦しかった分、最後に関係を作れた時は

本当にお店から信頼されたし、化粧品メーカの中では

1番自分がお店に貢献したという自負もあった。

このお店以上に全ての関与者を巻き込んで、

1つの方向に向かう事が出来たお店はなかったし、

自分の中で大きな自信になった。

最後の挨拶の時、同じチームの美容部員さんだけでなく、

他メーカーの美容部員さんも泣いてくれた事は

少し面白かったけれど(笑)本当に嬉しかった。

この頃から自分の中では「得意先にとって日本一の営業になる」

という事を念頭に活動し始めることになる。

相対的なスキルや知識ではなく、自分にしか出来ない

絶対的な価値を持って、得意先に貢献する覚悟が出来た年。


【チームや組織の変革を意識する5年目】

5年目になり、まだまだ未熟ではあるが、

チーム内で重要なお店を任せられるようになった。

結果も無論求められるし、チーム内での役割も

「決められた事をやる」ではなく、

「自らの想いを持ってチームを引っ張る」ことに変わった。

今は一人のプレーヤーとしての視点だけでなく、

チームを引っ張る立場としての自分の役割を常に

考えるようになった。

自分の営業理論も確立している。

無論、まだまだ諸先輩方と比較すると甘いと思うが。

重要な「結果」を出し続けているかという質問は、

恥ずかしながらNOではあるが、今月の計画を

きちんとやる事にフォーカスを置いて活動する。

そして今年は自分の「キャリア」に関しても

非常に考えるようになった。

自分は現在の会社をより良くしていきたい、

変えたいと思っているが、その為には現在の

業務をあと10年していても辿りつけない領域がある。

新しい部署、国や地域での経験を経て、

国内事業に戻ってその経験を還元出来ればいいし、

出来れば会社が上手く機能する「仕組み作り」に

携わりたいと思っている。それはまだまだ先のお話。





この5年半で変わった事で大きいのは

「意識の変化」なのだろうと感じる。

勿論、知識や経験が増え営業として安定した

活動が出来るようになったという事もあるが、

1年目の頃のような「ぶらさがり」社員ではなく、

自ら変化を起こす、良い影響を与えられるように

行動するようになった事が一番大きいと思う。


変わった事が多い中、変わらない事もある。

それは入社時に持っていた「想い」である。

入社以来、その想いがブレる事も変わる事も

なかったし、それがあったから今まで頑張ってこれたんだろう。

そして、この5年半で自分の中で見つけた

仕事において本当に大切なことや本質がある。

①謙虚・誠実・素直である事。
どんな事でも謙虚に受け止め、自己成長に繋げる。

②自分の役割を明確に、確実に遂行する事。
自分の強み・役割を認識し、組織内での自分の責務を果たす。

③感謝の気持ちを忘れないこと
自分一人では何も出来ない事をまず認識し、
支えて下さるチームのメンバー・得意先・関与者へ感謝を忘れない。

④「想い」を持つ事。
自分は何を成し遂げたいのか、その想いこそ原動力となる。

⑤ビジネスは「人」によって動いているという事。
論理的・合理的に考える事も勿論必要。でも人が動く時、
そこには必ず「心」があり、その「心」を動かす為に、
自分がどのような言動をするのか、真剣に考えるべき。


上記は一例でしかないし、もっと細かく言えば

営業としての行動や言葉遣い、そのたテクニックは様々ある。

でもこの5年半、本当に悩んで、悩んで、苦しんで、

本当に大切なものとは何だろう、と自分なりに導き出した

答えは、人間として当たり前の事だった。

よく松下幸之助さんや稲森和夫さんの本に書いてあるのは、

「人間としてどう生きるか」という本質的なものだが、

結局のところ、人としてどのように考え、行動し、

成長し、成熟していくか、という事が本当に大切な事なんだと

学ぶ事が出来た。

所詮入社5年半の若造な訳で、これからもっともっと勉強して、

人として成長していかないといけないのだろうけれど。


この5年半を振り返ってみると意外と早かった、という感想である。

良いか悪いかは別として(多分悪いと思う)、仕事ばかりやっていた。

もっとプライベートも遊んで、色々な経験をすべきだったのかも

しれないが、自分には出来なかった。でも後悔はしていない。


人一倍自分の未熟さと向き合い、仕事に向き合ってきたと思う。

人一倍失敗したし、笑われたし、悔しい思いもしたと思う。

ただ、本当に真剣に仕事に向き合ったからこそ見えたものや

掴んだものがある。

これこそが自分しか持てない価値だと思っている。


10月から新しい部署に異動し、そこで一から勉強することになる。

きっと今まで以上に頑張らないと、結果を出せないだろうし、

必要な人材にはなれないと思う。

ただ、営業として学んだ大切な事を忘れずに、

謙虚に学び続ければ、また新しい世界が見えると確信している。


残り2週間で、ひとまず営業としての役割は終わる。

その日に「出来る事はやりきった」と胸を張って迎えられるように

明日からも頑張りたいと思う。








































































2013年9月3日火曜日

試飲会の傾向と対策

善し悪しは別として、自身は「営業」という立場ではあるものの、

ある時は「販売員」として、またある時は「イベントリーダー」として

働く事もある。即ちこの業界の営業は「何でも屋」なのである。

(※繰り返すが、これは営業の本質の仕事ではない。善し悪しは別として)


よくスーパーやドラッグストアで見かける「試飲会」だが、

どのように行えば試飲会が成功するのか、自分なりの経験に

基づいて論述していきたい。


【試飲(食)会の本質とは何か】
試飲会の本質は「お客さまに商品を知って頂くこと」にある。

販売は副次的なものであり、とにかく飲んでもらう(食べてもらう)

事を第一に考える必要がある。


【売ろうと思った瞬間、お客さまは離れる】
基本的に、お客さまは「買わされる」事を嫌う為、

少しでも「買ってもらおう」という姿勢が見えた瞬間

こちらに警戒心を抱き、離れていってしまう。

とにかく飲んでもらう(食べてもらう)為にお客さまに

アプローチし続ける事を念頭に置く。

【フラれる事を恐れない】
これは自分が言えた立場ではないが、恋愛と一緒で、

声を掛けなければ始まるものも始まらない。

お客さまに声を掛けて、無視されたり、スルーされたりすると

気持ちが萎えてくるが、それは慣れの問題である。

10人に声を掛けて、2~3人立ち止まってくれたら

それでいいという感覚でどんどん声を掛けるに限る。


【大きな声を出してもお客さまは来ない】
 どんなに商品をアピールするフレーズを練習して

大声を出しても基本的にお客さまからこちらに

来る事は少ない。それではどうするのか?

こちらから声を掛けるのに限る。

気を付けたいのは、とにかく元気に言う事。

「お姉さん、ちょっとこれ飲んでって下さい」

「今日は暑いから、お兄さんの為にコレ冷やしときました」

なんて少し崩した表現の方が立ち止まってくれやすい。

試飲会は興味を引いたもの勝ちなので、

単純に「試飲会やってます。いかがでしょうか」という

フレーズよりも、面白いフレーズや表現の方が良い。

※どんな年齢の方にも「お兄さん、お姉さん」と呼ぶと
角が立たないし、会話も弾みます。


【お客さまの見極め】
100人全員に声を掛けても良いが、見込み客の見極めも

重要だと思います。

基本的にこちらを見て下さる方はお声掛けすると立ち止まって

くれますが、目も合わさない、こちらから離れていくような

お客さまは見込みがないと判断し、声を掛けません。

◆お子様連れはチャンス

子供は基本的に興味津々の生き物である。

「お母さん、なにあれ?」「飲んでみたい」などと

いったフレーズを聞いたらこっちのものである。

お子さんを巻き込んで、お母さんやお父さんも

試飲(試食)しなければならない状況をこちらから作ります。

子供が気に行って「これ欲しい」と言ってくれれば

その商品が高額でない限り、基本的に1つは商品が売れます。

【売らない事が売る為の近道】

とにかく「この商品は良いですよ」とアピールする事。

そして飲んでもらう事(食べてもらう事)

こちらが「売りこみ」をしなければお客さまは自然と

商品を買って下さいます。

そして気付いた事は、結局は最後は「人」であるという事。

少ない時間でその人の心を掴めれば

「お兄ちゃんの為に買ったろう」と買って下さる方も多い。

だから試飲会はこちらが楽しんでやるべき事なのである。