2011年9月25日日曜日

人が“医療”によって殺される現実


先日の「東日本大震災」で精神病院に入院する患者4名が

病院内に取り残されて死亡しているのが発見される。

患者の安否が無視される病院側のずさんな体制。歪められた死亡原因・・。

写真にあるように、ある患者は精神病院に自分の人生の40年という歳月

を捧げ、社会復帰の可能性を奪われた。


著者はノンフィクション作家の織田淳太郎さん。

約20日の潜入取材で見た医療現場の生々しい実態や

日本が抱える精神医療制度の問題点を提議している内容で

読んでみて非常に衝撃を受けた。

すでに治療が必要でなくなったにも関わらず、社会的な支援や

福祉のシステムが確立されてない為、病院に留まるという

「社会的入院」の患者の数が約20万人いて、

その方々が病院の「固定資産」として扱われている事や

鉄格子の中で「人間以下」の扱いをされる患者がいる現実がある。

本来適切な治療を受け、社会復帰出来る人が社会的システムや

病院の厳格な「管理」の下にその可能性を奪われ、人としての生涯を終える。

人が医療によって殺されていくという紛れもない事実がこの本に書かれている。



詳しい内容は是非読んで欲しいけれど、ざっくり言えば

日本の精神医療が世界に比べて圧倒的に遅れをとっている原因は

①社会的な支援システムがない、又法律として確立されていないこと、

②民間病院の経営問題、③保護者制度という、引き取り手がなけれ

(引き取り手が患者を拒否すれば)患者は病院に留まらなければいけない制度

らしく、その中でも国の支援システムが諸外国と比べて

圧倒的に遅れている事が、その根本的な要因だと自分も感じた。

自分も含め、一般の人が「精神病の患者の方に対する理解と知識

の欠如、偏見も問題を助長しているんだと思うと、「無知は罪なんだなー」

と考えさせられてしまう。

現在は震災の復興をメインとした政治活動が行われているけれど

まだまだ解決すべき問題は日本には山積みなんだろうなと思う。

ひとつひとつの問題を表面だけ取り繕う「見せかけの」改善でなく

本質を見極めて、ひとつひとつ丁寧に解決すべきだと強く思った。



会社員の自分も常に本質は何かという事を意識し、

短期的ではなく、長期的に会社が良い方向に向かうような活動を

しなければ!

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