2013年2月11日月曜日

「私、普通の材料で、普通に作られた醤油でございます。」

                                                 (image: 埼玉県川越市)

今日は大学時代の友人と久しぶりの再会。

川越駅駅周辺は、その風情ある街並みから「小江戸」と呼ばれている。

徳川家康が、北の要地として定めたことから、

その様に呼ばれ始めたという事だ。

川越グルメや有名な芋スイーツを堪能した後、向かったのは「松本醤油」さん。
(http://www.koedokko.net/meiten/02matumoto/matumoto.html)

ここでは醤油の蔵を見学させてくれるとの事で早速入ってみる。

木と醤油の香りが何故か心地よく、歴史の趣を感じる。

ここでは醤油の醸造の方法や歴史を学んだ。

ここ川越では最盛期50以上の醤油蔵が存在していたが、現在では

その数を16に減らし、市場にも出回らない貴重なものになっている。

自分も知らなかったが、醤油は大豆、小麦、塩の3つの原料で作られる。

発酵させた大豆、炒った小麦に塩を加えるシンプルな製法だが、

大手醤油メーカーには作れない味、本物の味がここでは味わえる。

説明して下さったお兄さんの話で印象に残っている事は、

本醸造」と「丸大豆使用」という表記についてのトリビアだ。


そもそも醤油の作り方そのものを「本醸造」と言い、

それ以外の製法は存在していない。

即ち、「本醸造」とは「普通の製法でつくりました」という証なのである。


そして「丸大豆使用」というのも、そもそも原料の大豆は丸い為、

結局は「普通の大豆を使ってます」という事らしい。

安い醤油等は製造期間を短縮する為、余分な油を抜いた

「脱脂加工大豆」という大豆原料を使用しているらしい。


つまり、自分達がスーパーで良く見かける

本醸造 丸大豆醤油!」といかにもな表現の醤油は実際には

私、普通の材料で、普通に作られた醤油でございます。

 という事だと知った。無知とは怖いものだ。


パッケージ一つで消費者の心は騙せてしまう。

実際に消費者を騙している訳ではないし、各メーカー可能な限り

品質の高い商品を消費者に届けようと日々努力している。

でも 当たり前の事をさも重大な事のように伝えることも出来る。


自社の業界でも、昨今様々な分野のメーカーが化粧品事業に

参入している。

質が高くない商品でも、その原料に大きなフォーカスを置いたり、

「もちもち」や「ぷるぷる」といった表記はもはや誰でも使える常套句となった。

勿論パッケージやプロモーション等のマーケティングは必要な事だけれど、

本当に良いものをお客さまに届けなければ、それは嘘だなと感じた。


様々な分野に、様々な歴史がある。

非常に面白いし、今後もこのような歴史に触れる機会を増やしたいと思う。

























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